インドの駅や路上にいる靴磨きのおじさんたち。仕事のスペースは、自分があぐらをかいて座る分と、それと同じくらいの広さの靴磨き道具を置く分。木の札を道具箱で「カカカカカッ」と打ち鳴らし、客寄せする。客寄せにほとんど声は使わない。駅や道を行くインド人の皆のマインドには、この音のあるところに靴磨きアリとすでにインプットされている。
靴磨きのおじさんたちは、笑わない。どれだけ話し掛けても渋い表情を崩さない。そして、3分もすれば靴が黒光りする程にピッカピカになっている。僕はインドに来たてのころ、呼びかけられて黒のクロックスを靴磨きされたことがある。クリームを塗られ、ビカビカに黒光りしていくクロックス。「これで3か月はきれいだぞ」と、あるはずないだろ、とびしっとツッコミを入れたくなるコメント付きで。その時、片方300RSなんて超高額をふっかけられて、結局は両方で150RSになって満足していたけれど、今は20RS、正規の値段で磨いてもらっています。仕事ぶりには大抵満足なので、日本に帰る前にはキョロキョロして探す。そういう時に限って、カカカカカッって音は聞こえてこないんだけどね。
ラップトップPCを立ち上げて床にゴザ敷いて、あぐらをかいて作業し出したら、自分のその姿と靴磨きのおじさんの姿がオーバーラップした、11月、マハラシュトラ州・ワルリ族のガンジャード村での朝。
okazu