インド人と言えば?
「カレー」
「ターバン」
「IT」
「数学強い」
インドに行ったことのない人のイメージは大体こんな感じじゃないだろうか。
「インドを好きになる人と嫌いになる人のどっちかで、中間はないらしいね」ということも聞こえてくるかもしれない。

インドに来たことのある人は、勿論もっと色々な感想があるだろう。
陽気で、ダンス好きで、適当で、なんだかゆっくり。

しかし。
「正確な精度を要求される機械部品をコツコツつくる」なんて、イメージを持つ人はあまりいないだろう。

彼の名前は、さっちゃん。
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さっちゃんはワルリ族の一人。彼が手に持っているものに注目。
「これがないと、おれの仕事は、全く、成り立たない。Made in Japanのこの計測器は、髪の毛の太さまで測れるんだ」というので、髪の毛を1本抜いて渡してみた。
「〇〇㎜だね(数字が細かすぎて覚えていない)。こんなのも測れるなんてMade in Japanすごいでしょ!」
まさか、インド人からMade in Japanのアピールをされるとは思ってもみなかった。

この道具を使って彼が作っているもの・・・
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円形の凹凸がぴったりになるよう、0.01mmの誤差さえも許されない精密さを要求される。これらのパーツは、海外に輸出され、薬品用カプセルを作る機械製造の重要な役割を持っている。

それを彼はあの計測器と自分の眼、手を頼りに、マシーンを調整しながら日々作っている。



「すごい、さっちゃん、なんて職人だ! 」
僕はあまりにも驚いて、彼に日本語で言ってしまった。今までのインド人像が覆された瞬間だった。

さっちゃんは、工学を学び、製作所に勤め、30代前半で独立した。
このパーツを作る技術を持っているのは、インド広しインド人多しと言えども滅多にいないそうで、仕事はコンスタントにくるのだとか。

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愛用のマシーン。

















そう言えば。
ワルリ族の村、ガンジャード村で開催したWall Art Festivalのボランティアとしてアーティストの制作や運営をアシストしてくれていた時のこと。彼は毎日天井画の作業を手伝っていた。首や肩にすごく負担がかかる作業に黙々と取り組む彼の忍耐強さには、こういう背景があったのだ。
しかも、インド最北部ラダック地方・標高3700~5000mで1か月に渡り開催したEarth Art Projectにも彼の義兄弟たちと来てくれた。持ち前の器用さと機転で、次々にやってくる制作環境の問題を解決したのだった。その心強さと言ったら、海に行ったら波があり、山に行ったら岩がある、くらい信頼のおけるものだった。

ある人が制作中に彼に尋ねた。
「毎日来てくれるけれど、仕事は大丈夫なの?」
さっちゃんは答えた。
「自分がやりたいことをするために、仕事をしてるんだ。このWall Art Festivalを逃したら、なんのために仕事してるのか分からなくなっちゃうよ。他の時に頑張ればいいんだ。はっはっは。」

ダイナミック。
誰とでも友達になれるような柔和な人柄の内に秘めた、彼にぴったりな言葉だと思う。
(彼の柔和さと友達作りのうまさに関してはまた是非後日取り上げたい)

愛用のマシーンが今日もうなりをあげる。
パラグライダーで山から飛び立ちたい、という彼の夢の一つが叶う日も遠くないに違いない。
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okazu